ネタと燃えと萌えが三大栄養素。過去を振り返るのが特技です
母の蔵書を眺めてたら、こんな本が見つかりました。
『人の話が聞けない子』
……社長?
『人の話が聞けない子』
……社長?
「額に肉とかは定番すぎるよね」
「てことは目蓋に目を書くのもダメヨ」
「髪をいじるってのはどうでィ」
「銀ちゃんの髪は既に神の見えざる手によって好き勝手弄られ尽くされているネ。私たちに出来ることは何一つ無いアル」
「寝起きなんて特にアレで手を加えなくても笑えますよ。土方さんなら真っ直ぐな髪だから色々出来るでしょうけど」
「あの人に対して髪を弄るなんて甘っちょろいことで済ますなんて俺の名が廃りまさァ。確かに昔寝てる間にカーラー付けてパーマにしてやったがねィ」
「うわ、ちょっと見てみたかったかも……」
「写真は撮ったんだがネガごと焼かれちまいましてね。それよりこんなのはどうですかィ。顔に濡れ布巾」
「え、それ大丈夫なんですか? なんかフツーに二時間ドラマの殺害方法に出てきそうなんですけど……」
「なァに、ありゃあ手足を縛って身動き取れねェようにしてるから殺れるんであって、体が動けば死にゃァしません。自分で布巾取れるんだからねィ」
「確かにそうかもしれませんけど……」
「現に土方さんはまだ生きてますぜィ」
「やったのか! もう既に実践済みなのかアンタ!」
「でかしたネサド! これで物騒な凶行が他愛ない子供のイタズラに昇華されたアル!」
「え、これって昇華なの? イタズラって凶行の上位段階なの?」
「新八君、細かいことは気にしちゃいけませんぜ。大体人間ってのは丈夫に出来てましてね、死のうと思ってても無意識に自分を守っちまうもんなんでさァ」
「いや、明らかに外部からの襲撃なんですけど」
「グダグダうるさいアル。銀ちゃんは目こそ死んだ魚のようアルけど、実際は相当生き汚い男ネ。濡れ布巾ごときで死ぬわけ無いアル」
「そういうもん?」
「そういうものヨ。大体、もう三か月も給料払ってないマダオに新八は情けをかけるアルか?」
「……うーん、確かにそれはそうかも」
「オヤ、旦那は給料を踏み倒してるんで? そりゃいけねえや。そういうお人は一度痛い目見なきゃ分かんねえもんだ。やっちまいなせェよ。少しぐらい悪ふざけが過ぎたって誰も責めやしませんぜ」
「本当ですか?」
「本当でさァ。もし誰かが何か言ってきたら俺に言いなせェ。警察権力の強さってのを思い知らせてやるぜィ」
「沖田さん……」
「よし決まりネ。サド、一番ワタシが楽しめるやり方を教えるヨロシ」
「ほぉ、チャイナおめぇSの素質あんじゃねぇかィ? いいぜ、俺もそろそろ新技開発に取り掛かろうと思ってたところでィ」
「キャッホウ! 新八、楽しみアルな!」
「まぁ、給料払ってくれるレベルでお願いします」
「それ相当レベル高いんじゃねーですかィ?」
「……。ですねー。あはははは。よろしくお願いします沖田さん」
「任せろィ」
「……なあ大串君、何アレ。暗殺計画? 真っ昼間の公園で子供が三人明るく楽しく幸せ暗殺計画? 俺ターゲット?」
「テメェの場合は自業自得だろうが。いいじゃねーかお前の場合手足の自由は残してくれそうなんだからよ」
「いやいやいや、そういう問題じゃねーよ。なんか内容がどんどんエスカレートしていって……って、え、何、俺の場合って……」
「……思い出したくねえ」
「……悪かった」
「……楽しそうだな、あいつら」
「……だな」
子供だとナメてると痛い目見ますよ。(ナメてなくても見てもらいますけどね!(給料払えヨ!
どこまでもマダオな社長にどうにか意趣返ししたい従業員二人、そこに加わるS星の王子。ある意味最強ユニット。この三人組も好きだ。そして悪戯というより嫌がらせ。むしろいじめの領域。
昨日からYGOの文庫版を一巻から読み進めてます。やっぱ面白いわ。純粋な意味でもネタ的な意味でも。主に社長の発言と王様の口の悪さにウケる。原作王様、アニメより口悪いなー。原作とアニメって結構違うよね。どっちも好きだけど。あと高橋先生のあとがきがこう、色々描きたいことと読者の要求との狭間で揺れたりしたんだなー、って思わせる内容でした。確かに初期のカード以外のゲームも面白いもんなあ。早いうちに全巻揃えたいものです。
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