ネタと燃えと萌えが三大栄養素。過去を振り返るのが特技です
でした、今年はまさに。今日の昼からやっとまともに頭が動きだしたという体たらく。とりあえず本屋に行ってきました。明後日までに読まなきゃなあ、スカイ・クロラ。
話が違う、と男が喚いているのを綱吉は話半分に聞いていた。恰幅のいい、と言えば聞こえはいいが実際にはただ椅子から立ち上がるのも困難そうな、なんというか……そう、ウシガエルのような見た目の男で、それでも一応同盟を組んだマフィアのボスだったからそんなことは一度も口にはしなかったが、自分の部下にこんなのがいなくて良かったなあと思わせる外見の男だ。見目が良かろうが悪かろうがどっちにしろマフィアというのは社会的には悪人だが、どうせ悪人なら見た目だけでも綺麗な方がマシじゃないかと思う。綺麗な顔をしてやることは悪魔、という人種もいるにはいるが(それこそ身の回りにわんさかと)、そこはまあそれ、と受け流す。前に家庭教師にそんなことを零したら、「オメーは単に面食いなだけだ」と即座に返された。心外だと思う。別に面食いなわけではなく、周りにいるのが並を軽く超越した美形揃いでそれに目が慣れてしまっただけだ。
「聞いているのか、ドン・ボンゴレ!」
ウシガエル、もとい男が声を荒らげる。耳には入って来ましたよ、と内心で答える。蛙の鳴き声の方がよっぽど芸術的だ。
「そんなに大声を出さなくても聞こえていますよ」
「なら、どういうことか説明してもらおう。こっちはあんたを信用していたのに、なぜあんな裏切るような真似を―――」
その言葉に思わず失笑が漏れた。なんという大根っぷりだろう。学芸会の子供の方がまだまともな演技をする。
「ほう、貴方は信用している相手に殺し屋を差し向けるんですか」
あっさりとそう言えば、相手は目に見えてうろたえた。
「な、何を言っている。私がいつそんなことをしたというんだ」
「うちの部下達はとても優秀でね。一流の殺し屋とサシで勝負してもひけをとらないし、口の堅いプロフェッショナルの、その口を割らせるのも決して難しくない。ついでに物事の裏の裏まで調べ上げるのも、ね」
暗に全てお見通しだと告げてやると、男はうろたえながらも必死で何かを考えているようだった。次に訪れる事態に備えて、綱吉もスーツに隠した通信機に触れる。
突如、男は立ち上がって部屋の隅に走り、奥の壁に設えてある通信機のボタンを押した。程なく、遠くからどたどたと足音が響いてくる。男が喚く。ばれたなら仕方がない、お前にはここで死んでもらう、とか何とかそういった意味合いのことだったが、生憎その手の発言は聞き飽きてしまっていたのでスルーした。展開がお約束過ぎて突っ込む気にもなれない。ただ、口の悪い味方の誰かがいたら、二本足の蛙が喚いてやがる、くらいは言うかもしれないな、と思った。
「このスーツ、新調したばっかりなんだけどなあ」
思わずぼやく。それなりに値の張る品物を汚すのは気が引ける。貧相な見た目はどうしようもないから着るものでハッタリをかませ、と何年か前に家庭教師に言われたのを今でも忠実に守っているのだ。それでもこんなことになるのだから、この投資に意味はあるのか疑問だ。今度尋ねてみよう。頭でそんなことを考えながら、体はソファーから立ち上がり、懐から拳銃を取り出す。一応グローブも準備した。荒々しくドアを開けた敵の第一陣に挨拶代わりに銃弾を撃ち込みながら、綱吉は優秀な部下があと何分で到着するかを計算した。
オレは結構律儀な性格してるんです。だから貰った分はちゃんと返しますね。
徒然なるままに書いた今年初のお題攻略。物狂おしくなるのも時間の問題です←
久々に森博嗣に手をつけたんですが、中学高校時代に読んだのと変わってないなーというのが真っ先に浮かんだ感想。まああっちはミステリ(S&Mシリーズ)で、こっちは……何だろう、ファンタジー? な内容なのでその辺は違うけど、何というか、所謂「理系」な文章は変わってないと思う。
というかぶっちゃけあの人の本ってあんまり私に合ってないと思うんだよね(知るかよ 一回読むともうお腹いっぱいになる。再読したくない。だからここ何年か近づかないようにしてたんだけどなー……例会作品なら仕方ないよなあ……。
まあ読むのにそれほど時間はかからないと思うんだけどね。字は大きめだし、そんなに分厚くないし、よく分からん飛行機の描写は斜め読みするし(待て 早く読み終えて他の本を読みたい。久々にシリーズものヒットが来そうなのですよ。いやあ今野さんっていったらまずSTに転ぶかなーって思ってたら予想外に安積さんに転んでしまったよ!
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そうなのか
エスコンなら結構ちゃんとしてるんだろうなぁ。
あの人完璧に趣味で小説書いてるからなあ。やりたい放題とはまさにこのこと。
あの人完璧に趣味で小説書いてるからなあ。やりたい放題とはまさにこのこと。